UFPFF 国際平和映像祭 2013を翌月に控えた8月のイベントは、イスラエルにおけるパレスチナ人とユダヤ系アメリカ人の子どもの友情を描いた傑作「DAVID&KAMAL」の上映と、アメリカ在住の日本人監督川崎規久雄さんを迎えてのUFPFF代表関根健次との対談。日本各地で記録的な猛暑が続く中、映画関係者を含め大勢の人たちが市ヶ谷の地球ひろばに集結!
映画の舞台はエルサレム。人種、宗教、生まれ育った環境、境遇や国が異なるデイビットとカマルの人生が、カマルがデイビットのポーチを盗んだことから交差し、二人は拒絶しながら、ときに助け合い、その距離を近づけていく。監督のこだわりから、撮影は実際にエルサレムで行われ、現地スタッフをクルーに迎え、キャスティングも現地でのオーディションを行うなど、背景にリアリティがふんだんに盛り込まれた本作品は、子どもたちの友情ストーリーを通じながら、映画で直接には語られないイスラエル・パレスチナ問題を映像で伝えることに成功をしている。鑑賞後会場からは「さまざまなことを考えさせられた」「友人にもぜひ勧めたい」等、感動の声が相次いだ。
川崎規久雄監督と関根健次の対談では、作品の構想を得てから完成までの長い道のり、ディビッドとカマルのキャスティングの経緯、作品に独特の世界観を与えている音楽起用のエピソード、紛争地域での撮影ならではのトラブル等についての撮影秘話から、イスラエル・パレスチナ問題の実態、監督が作品に込めた思いなどについてが監督より語られ会場は興味津々。対談の最後には「日本の私たちがイスラエル・パレスチナ問題に対してできるアプローチ」、「映画のような民族対立を超えた友情が現実に育まれる現実性」などについて質問があがった。それらの質問を受けて関根から紹介のあったNPO「Peace Field Japan」の活動が印象に残ったのでここでも紹介したい。組織の基幹事業、イスラエル、日本、パレスチナの子どもたちを日本の里山に招いての交流文化事業で、10日程度のキャンプを通した共同生活を通して、一緒に生活し、遊ぶことで相互理解を深めていくというもの。地球の裏側で行われる交流事業、平和で安全な中立国だからこそできるアプローチがきっとあるはず。
どうして大人は子どものようにシンプルに認め合うことができないのかなんて、民族対立の問題の根深さを途方もなく感じてしまうけれど、対話を深めていくことで平和の実現に一歩ずつ近づいていくことはできるはず。遠く離れた国のことでも、私たちにできることは小さなことでも必ずあるということ、実際に活動している人たちがいるということ。映像や語りなどのメディアを通して色々を学びました。ご来場いただきました皆さま、誠にありがとうございました!来月は国際平和映像祭本祭、どんな一日になるのか、今からたのしみです!
UFPFF 国際平和映像祭 スタッフ
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